【完全版】特殊清掃って何?孤立死・事故物件対応で知っておくべきこと

■ はじめに:特殊清掃は「普通の掃除」ではありません

孤立死・事故死・自殺など、一般家庭では想定していない状況が起こった際、
通常の清掃では対応できないレベルの汚れ・臭気・感染リスクが発生します。

このような現場で必要になるのが 「特殊清掃」 です。

特殊清掃は、
✅ 遺体の腐敗による臭気
✅ 体液による床・壁の汚染
✅ 害虫の発生
✅ ウイルス・菌の繁殖
など、専門知識と専用資機材がなければ絶対に対処できません。

本記事では、孤立死・事故物件が発生した際に家族が直面する問題、
そして特殊清掃がどのように行われるのかを詳しく解説します。

「いざという時、どう動けばいいのか?」
を知るための “保存版” ガイド です。


1.なぜ特殊清掃が必要になるのか?

孤立死や事故死が発生すると、時間とともに遺体は腐敗します。
腐敗が進むと、一般の家庭用洗剤では絶対に取れない汚れや臭気が発生します。

✅ ● 腐敗臭(死臭)が壁・床・天井に染み込む

腐敗によって発生した臭気成分は、

  • 壁紙

  • 床材

  • カーテン

  • 断熱材
    などに深く浸透します。

消臭スプレーや換気では絶対に消えません。

✅ ● 体液が床下まで浸透する

孤立死の現場では、
体液が床材を通過し、下地材まで達するケースもあります。

表面の掃除だけでは不十分で、
床材の剥がし作業が必要になることも多いです。

✅ ● ハエ・ウジなどの害虫発生

腐敗が進むとハエが発生し、ウジが大量発生することがあります。

これは一般の掃除機や殺虫剤で対応できるレベルではありません。

✅ ● 感染症リスク

特殊清掃は「感染症除去」が目的でもあります。

血液や体液に含まれる

  • ウイルス


  • などを除菌しない限り、室内の安全性は確保できません。


2.特殊清掃の主な作業内容

特殊清掃は以下の専門作業を組み合わせて行います。


✅ ① 消臭・除菌作業(オゾン・薬剤)

除菌剤やオゾン脱臭機を使用し、
臭いの原因である菌や有機物を分解します。

オゾンは漂白剤の約1000倍の酸化力があると言われ、
腐敗臭の消臭に欠かせません。


✅ ② 汚染物の除去(体液・血液・腐敗物)

床・壁・家財に付着した汚染物を除去します。

汚染された箇所が広範囲の場合、
床板や壁紙を一部解体する必要があります。


✅ ③ 害虫駆除(ハエ・ウジ)

孤立死現場で多く見られる害虫を駆除します。

室内に卵が残っている場合があるため、
薬剤散布や熱処理を併用します。


✅ ④ 原状回復工事(必要に応じて)

場合によっては以下の作業が必要です。

  • フローリング張り替え

  • 壁紙の張り替え

  • ボード交換

  • 畳交換

  • ハウスクリーニング

特殊清掃と原状回復工事はセットで依頼されることが多いです。


✅ ⑤ 遺品整理・家財整理

腐敗によって家財が使えなくなる場合が多く、
遺品整理・家財撤去も同時に行われます。

  • 貴重品の探索

  • 思い出の品の仕分け

  • 不用品の処分

  • 再利用できる物の選別

遺族の精神的負担を軽減しながら行います。


3.特殊清掃の料金相場は?

料金は以下の要素で大きく変動します。

● 汚染レベル

  • 体液の量

  • 腐敗の進行具合

  • 臭いの強さ

● 間取り

1Kと1LDKでは作業範囲が全く異なります。

● 原状回復の必要性

解体作業・張り替えなどが必要かどうかで大きく変わります。


✅ 一般的な料金相場(目安)

内容 相場
特殊清掃(1室) 30,000〜150,000円
体液除去 20,000〜100,000円
オゾン脱臭 15,000〜50,000円
害虫駆除 10,000〜50,000円
原状回復工事(床剥がし・張り替え) 50,000〜300,000円以上
遺品整理・家財撤去(1K〜) 33,000円〜

※汚染が深刻な場合は、20〜50万円を超えるケースもあります。


4.孤立死・事故物件発生時に家族がすべき行動

突然の訃報は、心の整理が追い付かず混乱してしまいます。
しかし、以下の順序で動けば大丈夫です。


✅ ① まずは警察・自治体へ連絡

事件性がないか確認する必要があります。


✅ ② 室内には絶対に入らない

未処置の現場は、
✅ 感染リスク
✅ 精神的ショック
が極めて大きいため、家族が入る必要はありません。


✅ ③ 特殊清掃業者へ連絡

現場確認 → 見積もり → 日程調整
の流れになります。


✅ ④ 遺品整理・家財の対応

貴重品の探索もプロが行えます。
無理に自分で作業しなくて大丈夫です。


5.特殊清掃業者を選ぶポイント

特殊清掃は高度な専門作業。
正しい業者を選ばないと、臭いが残ったり、追加請求が発生したりします。

以下を必ずチェックしてください👇


✅ 優良業者の特徴

  • 追加料金なしと明言している

  • 汚染レベルを丁寧に説明してくれる

  • 作業実績が多い

  • オゾン脱臭機・防護装備などの専門機材が揃っている

  • 遺品整理士・事件現場特殊清掃士などの資格がある

  • 家族の気持ちに寄り添った対応をしてくれる


✅ 避けるべき業者

  • 見積もりが曖昧

  • 不自然に安い

  • 作業実績が見えない

  • 契約書を出さない

  • 口コミが少ない


6.特殊清掃は「心のケア」の一部でもある

孤立死や事故死は、遺族にとって大きな精神的ショックです。
特殊清掃は、ただ部屋をキレイにする作業ではありません。

✅ 心の区切りをつける
✅ 次の生活へ進む環境を整える
✅ 故人を尊重して片付ける

という“心のケア”としての意味もあります。


✅ ■ まとめ:早期対応が、ご家族の負担を軽くします

特殊清掃は、想像以上に専門的な作業です。
家庭用の掃除では絶対に対処できません。

✅ 今日のまとめ

  • 特殊清掃は腐敗・体液・害虫・臭気などを専門的に除去する作業

  • 放置すると臭気・腐食・修繕費が増大する

  • 料金は作業内容・汚染レベルで大きく変動

  • 家族は無理に入室せず、プロに任せること

  • 優良業者を選べば、安心して前へ進める